青いコスモス

絵・文  あやか 作 (10才)

第2章

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またあの世界へ

夜、ペンダントを忘れずにつけてふとんにもぐった。なぜか、ドキドキしていたのにすぐに寝ついた。
吸い込まれていくような感覚で目がさめたら、一面の野原だった。名前の知らない花がたくさんある。
また羽が生えてきて体が浮かんだ。
ずっと向こうに、大きなかたまりがある。そっちへ行ってみることにした。


コスモスの家
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飛んでいくと、そのかたまりはとても大きな家だった。
透明感のある青い色をしていた。
手でそっとさわると、看板が出てきた。
「この家は、青いコスモスの汁をかためたもので出来ています。」
読んだあと、
「へえ、きれいな色」 と、家へ入った。
そこには、光の玉のようなものが溢れかえっていた。
歩いて行くと、ガラスの筒にひときわ大きな、淡いブルーの
光で出来たコスモスが咲いていた。

 

 

青いコスモスから聞いた秘密

そばへ行くと、そのコスモスがきらきらっと光って、おどろくほどしっかりした声でしゃべりだした。
「私はこの世界を治める、五本のうちの一本のコスモス。けれど今は私一本。とてもつらい仕事です。」
「え、なぜ一本なの?」
私がそう聞くと、コスモスは悲しそうに答えた。

「私たちは、少しほかのコスモスより力が強く、根から吸い取る力も多くなくてはならないのです。
それで、特別な玉を一個、それと小さいのを一個、コスモスの形をした湖の真ん中に沈めておかなければならない。その湖からくる水で私たちは力をつけています。けれどその玉の一つ、大きい方が別の世界へ転がり出して行ってしまったのです。」203.jpg (7959 バイト)

「その玉ってどんなの?」
「それは、青、黄、緑の宝石がコスモスを描いて
はめ込まれていて、薄い青い色のついている透明な玉です。」

私はどこかで見たような気がした。
そして自分のペンダントに目をやって、「あっ」と小さな声をあげた。

「もしかして、これ?」
鎖の先についている、大きめのビー玉くらいの透明な玉を見せた。

「・・・・とっても似ている、というより、きっとそれです。あなたは別の世界の人ですか?
だったら、どんな世界から来たの? 花は咲いているのかしら? 」

すごく驚いたのか、コスモスは話し方が変わった。

「その玉はどこでもらったの? 早く戻さないと。」
「私は、確かにこの世界には住んでいないわ。私が住んでる所は、
町や人がこの世界よりもずっと多いし、もちろん山や川、花もある。
けど、青いコスモスはないの。」

コスモスは、
「ええ、青いコスモスがないのはわかっているんです。この世界にだけある花ですもの。」

私は、ちらっと思ったことを聞いてみた。

「私にその玉はもどせないのかなぁ?」
「いちおう出来るけど、いろいろなことをやらなければならなくて、いけた人はごく少ない。
この世界にいきなり来たあなたに、行けるかしら。」
「どんなことをするの?」
「野原へ行って虹の石を取ってきたり、ちょっと難しいのは集めた石をあやつって、
みずうみの前の広場にいるドラゴンの角と角の間にあるコスモス形の青の宝石を
とらなければならなかったり。 一番難しいのは・・・なんだっけ。」

「そんなにあるの!」
「やってくれる? それともいや?」
「・・・明日、言うから少し待って。」

私は、少し悩むことにした。

どうしよう!004.jpg (11442 バイト)


− つづく −


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